写真はSUGOI-ne栽培のカタクリの球根。
山野草会で人気の高いカタクリは、
実際に鉢に植えたり、庭に植えたりすると、
3年で絶種する。
栽培してみると・・・ランより難しい!
カタクリは肥料では作れない植物である。
自生地は深く堆積した枯れ落ち葉エリア。
雑木林の早春の花。
他の草丈の高い植物が繁茂する前に、
雑木林の葉が繁茂する前に、早春から5月
頃までの光を2枚の葉を太陽光パネルのように広げ、
この光で光合成する。
問題は、この葉のパネルの光合成の澱粉のみで
カタクリ粉といわれる澱粉を作ることが出来るのかということである。
なぜカタクリは深く堆積した雑木の枯れ葉の中に自生するのか。
2枚の葉で充分光合成出来るのであれば・・・
自生地と同じ土質を再現すれば、栽培出来る筈である。
しかし、そのようにしても絶種する。
なぜか???
カタクリは枯れ落ち葉に棲む材木腐朽菌が作り出す「糖」が必要。
この枯れ落ち葉由来の糖と光合成の糖の二つで、
カタクリ粉を作り貯蔵して、次年度に生きるエネルギー源とする。
肥料を与えても効果が見られないばかりか、
土壌内の微生物バランス、生態系を崩し、
脆弱な葉になり、光合成能力の劣る葉になる。
次年度に大きな作落ちになる。
3年目に絶種。
こういう株に活力剤が効くか???・
全然効果が無い!
弱い組織の葉に活力剤を与えても、光合成を活発に行うことが出来ない。
なぜなら、光合成を行うにも、エネルギーの糖が・・・必要だからである。
材木腐朽菌が棲んでいない土に植えた場合、
枯れ葉由来の糖がないから、糖欠乏のまま6月になり。
葉は枯れる・・・・
非常に栄養生長期間の短い植物では、起死回生のチャンスはない。
よって・・カタクリ栽培はランより難しい。
水ゴケ、バーク、鹿沼、軽石では作れない!
植物栽培イコール肥料。
こういう栽培が、作物でない「ラン」にも及んでいる!
園芸の本をみれば・・・植物の広告より肥料関係の広告の方が多い有様。
ラン展の講習会では・・・肥料の質問が一番多い!
こういう間違った思考が・・・現在のラン栽培、
植物栽培、作物栽培に定着している。
肥料イコール消毒。
病気にかかりやすい植物になる。
肥料ほど妖しいものはない。
覚醒剤、麻薬みたいなもの。
一度肥料を与えて、よく生育させれば、必ず病みつきになる!
山の草の原種のラン、山野草にも・・・肥料漬け栽培を断行することになる。
日本では糖の摂り過ぎによる糖尿病の人が非常に多い。
人間は、食べることによってエネルギー源を調達する。
穀物の炭水化物。
これは全て植物の光合成によってつくられたもの。
植物の脂肪、蛋白質も光合成によってつくられた澱粉から作られたもの。
野生植物も作物も、植物の基本中の基本が光合成で澱粉を作り、
これを植物自体もエネルギーとして燃やし生きて、己の身体を作り、
種子をつくり、種子にはエネルギー源の養分まで具備する。
人間も地球の炭素循環の中で生きつづけて来た。
植物の身体を、種子を穀物として・・・・。
そして、穀物の摂り過ぎは・・・・病気になる原因。
糖尿病。
植物では・・・窒素過剰病????
植物には窒素過剰摂取による病気が多発する。
この窒素過剰というのは植物自生地にはない!
窒素欠乏状態・・・自生地。
植物は動物のように移動できないから、窒素過剰は全部人間が与えたもの。
植物はもともと全て野生植物である。
この野生植物の中から人間が食べられる植物を選んで改良したものが作物。
その後、工芸作物なども生まれたが、もともとは食べられるか、食べられないか。
これが植物を人間が分類、仕分けした最初。
リンネの植物分類は・・・あくまでもキリスト教の神が創りたもうたもののリスト作成。
野生植物は・・・・人間の手が入らない植物。
誰も肥料など与えない。
そういうことで、野生植物は自然の法則の中で生きる術を具備している。
人間の手など借りないでも活き続けることができる自立した生き物である。
エネルギー源の糖は・・・光合成と枯れ落ち葉の分解して生まれた糖を賄う。
窒素分は雨水に含有する尿素と土壌内の水に含有するもの。
菌根植物では、これに加えて共生菌の菌糸に含有する窒素。
つまり、手に入れることが出来る範囲内での生活である。
これを貧しい生活と思うか、どうかなおだが、
作物を作るとなると・・・・より多く収穫するために・・・肥料の投与が実施される。
肥育牛に・・・沢山の穀物飼料を食べさせるのと同じ。
植物に自生地よりも多くの窒素を与えれば・・・・・
植物は過剰に吸収する!
光合成でつくる澱粉との比率バランスを大きく崩すほど窒素を吸収する。
問題は、ここで起きる!
人間で言えば糖尿病。
いろいろな弊害が起こる。
植物でも窒素過剰吸収と体内過剰蓄積でいろいろな弊害が起こる。
植物では、自然界では糖の過剰吸収というのはない!
人間が砂糖水のようなものを根に与えても、
高分子の糖は吸収できないから・・・・窒素のように体内に蓄積はない。
つまり、植物の体内にある糖は、植物自体が光合成でつくったものしかない!
そういうことがこれまで一般植物の定説であった。
光独立自養植物である。
学校で教わった植物の基本的な定説である。
しかし、近年、この澱粉のみでなく、ラン科植物に見られる共生菌による糖の供給が、
大きく注目されるようになってきた。
光合成以外のルートでの糖調達である。
植物の進化は多様で、光合成は植物の一部分に付いてのこれまでの知識、知見である。
つまり、ラン科植物のような森林での光争奪戦の負け組み植物では、
光合成による糖のみでは、継続した種の保存は出来ない。
こういうことで、植物では糖が常に欠乏している状態。
自然界においては、植物が最高に光合成を行う環境などありえない。
窒素、その他の成分も充分ではないから、葉の面積も充分でない状態で生きている。
そういうことで、糖は常に不足状態である。
糖が充分にある株はこうなる クリック SUGOI-ne栽培は生油粕のみでここまで出来る
生油粕は肥料ではない。
ラン菌へのエサとして使用する。
こういう状態の植物に窒素を与えれば、生育が促進され、生長も速くなり、
葉も多くなり、葉の面積も多くなる。
これが誤り、誤解の元凶である!
適量の窒素を与えれば・・・・良いこと尽くめである。
ところが、人間というのは、もっと、もっと。more・・・moreである。
多量の窒素を与えることになる。
化学肥料も、有機肥料も・・・最後はイオンの窒素となるので、リービッヒの理論どおり、
硝酸態窒素となり植物に吸収される。
この硝酸態窒素を植物は過剰吸収するから問題が起こる。
今年のように旱魃になれば、硝酸態窒素は一つの「塩」だから、塩害が発生する。
アメリカの穀物が大被害になる。
植物の身体も、土壌も窒素まみれとなり、身体も土壌も・・・極端な生態系バランス崩壊となる。
土は活きている・・・と表現することがあるが・・・微生物が生きている。
硝酸態窒素の多い土壌では、この環境で生きられる微生物が勝ち組みになる。
多くの病害菌が勝ち組みである。
野生植物の自生地は硝酸態窒素が少なく枯れ葉をエサにして生きる材木腐朽菌が支配する場所。
ここでは病害菌が勝ち組みになることはない。
だから、山、森林、原野などに自生する野生植物は、硝酸態窒素は常に窒素飢餓状態であるが、
光合成でつくる糖は、それなりにある状態。
一口に言えば瘠せてはいるけれども健康な状態。
この状態では、ほどほど花を咲かせて・・・子孫を残すことができる!
そして、秋には枯れ葉を地上に残す。
材木腐朽菌を飼っている状態である。
ところが、近頃の消費者は・・・・
花壇苗でも、野菜でも・・・・葉が黒緑のようなものを元気が良いと思っている。
硝酸態窒素を過剰に吸収した葉である!
こういう野菜の苗では・・・簡単に病気に侵される。
こういう野菜を食べれば・・・人間だっておかしくなる!
多年草、樹木では、体内に余分の窒素が含有すると、
永年蓄積され正常な生育に回復するまでに長い先月を要する。
耐寒性、耐暑性、耐病性の弱い体になる
ランも多年草。
ラン栽培では、肥料で作られた見かけの良い株は、一気に作落ちする。
蘭の苗を買うなら・・・栄養失調のような株を買え・・・といったものである。
つまり、逆境に絶えられる・・・。
野生の植物にも、動物にも肥満というものはない。
皆、ギリギリのところで生き延びている。
樹上で生きる着生植物などは、窒素のほとんど無い場所で生きる。
雨水に含まれる僅かな窒素を窒素源にしている。
植物では体内の炭素率が重要。
SUGOI-ne栽培は、ほとんど窒素を与えないから、
鉢内は病害菌が棲めない状態になる。
体内は、澱粉充実のエネルギーバンバンの充実した株になる。
翌年の芽出しは早く・・・・素晴らしい芽吹きになる。
肥料で作ったランとは・・・・全く違い、
自生地のランを更に充実させたような株になる。
根も、茎も、葉も、花も・・・・パワーが漲っている感じになる。
kouza 1ch
植物に糖尿病はない。
窒素過剰が命とり